通関とは

税関の輸出入管理をいい、輸出通関と輸入通関がある。関税法などに基づいた一般関税行政のほか、外国為替および外国貿易為替法、輸出入を規制するその他法律などによる輸出入管理業務を行う。輸出通関の場合、貨物が保税地域に搬入されて、輸出申告が行なわ…

直接貿易とは

メーカーや商社などが、第三者を介さずに直接海外の売り手または買い手と貿易取引を行うこと。特にメーカーが商社を経由せずに直接海外取引を行う場合に用いられる。 直接貿易には、直接輸出と直接輸入の場合がある。直接輸出は、輸入者が輸入国の輸入業者や…

中継貿易とは

輸出地から輸入地へ貨物は直送されずに、いったん第三国のへ輸入手続きが行なわれ、その貨物を原型のまま、もしくは多少の加工を施したり、修繕したりして、最終の輸入地まで再輸出されること。仲介貿易と相違するところは、中継貿易では第三国で貨物がいっ…

仲介貿易保険とは

日本の仲介者が、仲介貿易に基づく貨物代金や賃貸料、貸付金が非常危険や信用危険により回収不能になった場合に受けた損失を填補する保険のこと。1987年4月に輸出保険法が改正され「仲介貿易保険」および「前払輸入保険」が加わり、貿易保険法に改称された。…

着払いとは

貨物が仕向地に到着した後に荷受人がその運賃を支払うこと。国内取引の場合、着払いとは目的地で貨物を引き取るときに荷受人が運送会社に運賃を支払うことである。着払いは運賃の後払い、向こう払いともいう。貿易取引の場合は、たとえばFOBやFASの条件によ…

着船通知書とは

船荷証券の通知欄に記載されている通知先に対する船会社の本船入港予定日の通知のことで、輸入貨物の処理を円滑にすることがその目的である。この通知に基づいて荷受人は貨物の受け入り機関や通関、その他の手配を行うことになる。なお輸入地の銀行が輸出地…

チャーター・パーティー・ビーエルとは

用船契約船荷証券のことで、貨物の運送が用船契約で締結されている場合に、その契約によって発行される船荷証券を指す。特に貨物が原材料や穀物などの場合、その性質上の不定期船で運送される必要があるが、その場合に締結される用船契約に基づき発行されるB…

チャーターとは

物品運送のために船舶や航空機のスペースの全てもしくは一部を借りきること。Charterpartyは、ラテン語のcarta paritiaに由来した「分割された紙片」という意味であり、当初は契約書類の総称だったが、現在は船腹の全てまたは一部を借りきって物品運送するた…

遅延利息とは

輸出手形の買取に際して、買取相場に織り込まれている入金予定日より遅れて入金された場合に徴求される追加の利息のこと。輸出手形の買相場では、一覧払いおよび一覧後ユーザンス期間払いなど、一定の郵便日数を基準に、手形の決済予定日(予定振替日)が決…

ダン・レポートとは

世界的に有名な民間の調査機関であるダン興信所が調査依頼者に提出する企業の信用調書。詳細で精密な内容が特徴である。ダン・レポートは、大別すると基本調書と追加調書に分けられる。前者はダン興信所が超最依頼者に最初に回答するもので、Information Rep…

ダンピングとは

不当廉売のこと。特に輸出ダンピングでは、外国との国際競争を有利にするので、国内市場価格より輸出価格を低くすることをいう。1970年代、日本はカラーテレビの対米輸出で、国内市場価格よりも低い価格で輸出したので、その二重価格をアメリカから指摘され…

タリフ(関税)とは

租税のひとつであり、輸入税、輸出税、通過税に分けられるが、現在の先進国では輸出税と通過税に関しては極めて少ない。目的別に保護関税と税制関税に大別され、貿易政策のひとつとしての関税政策があり、1930年代の世界はこの政策が推進され、世界貿易額を…

タリーマン(検数人)とは

輸出入貨物の積込み、船卸しのとき、貨物の荷姿や個数を検査する者のこと。通常、荷主側の乙仲と船主側のタリーマンが立会のうえで検査を行う。輸出貨物の場合、通常輸出通関の前に貨物を検査するが、荷受のときにそれを再確認するために、荷主側の乙仲と船…

ため払いとは

居住者と非居住者の間の債権債務を非居住者の「ため」に居住者間で決済する方法。たとえば、居住者が非居住者に対して行った輸出の代金を、非居住者の日本支店(居住者)が本社に代わって支払うケースなど。非居住者の「ため」にする支払いであることから「…

ダミーとは

直訳すると「にせもの」や「替え玉」の意味で、ダミー商社のことを指す。中国と台湾といったふたつの中国があり、かつては取引する場合、日本の商社は台湾政府から貿易の許可がおりず、代わりのダミー商社を設立してそれぞれの国に対応した。また、旧ソ連貿…

タックス・ヘイブンとは

法人税や所得税が非課税など税制上の特典のある国のこと。法人税や所得税などが非課税もしくは軽減されている国や地域で、子会社などを設立して収益を集中することで課税を免れたり、低い税率で済ませることができる。 具体的には所得税の全くないバミューダ…

DACとは

Development Assistance Committee(開発援助委員会)の略称。OECDの下部組織で、1960年にアメリカの提唱で設立された開発援助グループ(Development Assistance Group=DAG)がその前進であり、1961年9月に行なわれたOEECのOECDへの改組に伴ってDACと改めら…

多国籍企業

少なくとも数カ国以上にわたって、対外事業活動を行い、進出国での社会的インパクトが大きく、企業戦略を重視し、グローバル志向の強い巨大企業のこと。国連による規定では「2ヶ国以上の国で資産を支配する企業」としているが、現在では中小企業であってもそ…

多国間貿易とは

決済上の問題があるとき、二国間某駅から三角貿易、さらに四角貿易というように発展していくことを多国間貿易と呼ぶ。従来は決済上の収支の不均衡の問題などで多国間貿易へと進展してくことが多かったようだが、現在は現地生産も踏まえた多国間貿易に変化し…

代理店(エージェント)とは

本人に代わってその商行為を代行する者のこと。通常代理契約に基づいた営業を本人の代理として遂行し、その報酬として本人から手数料を受け取る。輸出の場合の代理店は、特定市場での商品販売の代理行為を本人から委任され、その販売実績に応じて手数料が支…

タイボーとは

東京金融市場の銀行間の出し手(オファー)金利のこと。東京オフショア市場などで取引される金利水準の出し手金利が東京銀行間出し手金利のタイボーで、東京で値決めされるローンや金利スワップなどの基準として使用される。また時間を指定する場合は通常午…

タイド・ローンとは

援助の授乳国が、必要な物資やサービスの調達先として当該援助の供与国に限定するように義務付けられる形態の取引のこと。ひも付き借款とも呼ばれる。発展途上国は技術上の制約から、道路や港湾などの社会的間接資本(インフラストラクチャー)、プランと設…

対顧客相場とは

為替銀行が対顧客取引に適用する相場のこと。為替銀行が顧客と外国為替取引に適用する為替相場は原則として為替銀行の相場を基準に、銀行の利ざやを加減して算出されるが、市場取引の基準の取り方は直物取引と先物取引では取り扱いが異なっている。 為替手形…

代金取立手形とは

銀行が海外のコルレス銀行などの取立依頼人から取立ての委任を受けた手形や小切手のこと。一般に取立委任を受ける手形類は為替手形、約束手形、小切手などで、取立てを委任された銀行は輸入者などから取立代金を受領した後、取立依頼人に対して支払いを実行…

対外直接投資とは

居住者による、経営参加を目的とした外国法人の株式取得や、外国での支店・工場の設置などのこと。経営参加を目的とした居住者の外国への投資のことで、資産運用を目的とした対外証券投資とは区別される。形態としては外国法人の発行する証券の取得、外国法…

対外証券投資とは

居住者が資産運用(利子、配当、値上がり益など)を目的に海外の株式や公社債などの有価証券を取得すること。外国証券の取得でも企業の経営参加を目的としたものは対外直接投資になる。 コルレス契約を認められた為替銀行が外国証券を取得する場合や、居住者…

ソフト・ローンとは

国際開発協会(International Development Association=IDA、第二世銀)の提供するような緩やかな貸付条件の借款のこと。発展途上国は先進国からの経済援助や商業信用を受けているが、途上国のなかには債務の返済が多額になり、国際収支上の負担が大きくなり…

双務契約とは

貿易取引契約のように、契約当事者の一方の売り主が物品引渡しの義務を負担し、他方の買い主がその対価として代金支払いの義務を負担すること。賃貸借や雇用などはこれに相当する。これに対し、目的物を消費して同価値のものを返還すればよしとする借り主だ…

相殺方式とは

主に武器、航空機、先端技術製品などの輸出に用いられる方式であり、輸入国で生産した部品や資材を輸出国が購入して、それを輸出商品に組み込むことで輸出代金の一部を相殺する方式のこと。アメリカからの武器や航空機の輸出において定着している。この方式…

倉庫渡し

売り主が所有する倉庫または指定する倉庫で物品を買い主に引き渡すLoco(現場渡し)条件のこと。売り主は物品が倉庫に置かれたままの状態で引き渡すものであり、売り主にとって最小の義務を表す取引条件である。インコタームズの工場渡し(Ex Works)条件の…