タイド・ローンとは

援助の授乳国が、必要な物資やサービスの調達先として当該援助の供与国に限定するように義務付けられる形態の取引のこと。ひも付き借款とも呼ばれる。発展途上国は技術上の制約から、道路や港湾などの社会的間接資本(インフラストラクチャー)、プランと設備やその他経済開発を促進するために不可欠な物資やサービスを自国で供給できず、海外に依存しなければならない場合が多い。しかも必要な物資やサービスを輸入するだけの外貨準備を保持しておらず、これらの発展途上国は先進国からの贈与や借款などの経済援助により不足を補って、必要な物資やサービスを調達しなければならない。このような場合、援助の受入国が供与国を調達先にするよう義務づけられる形態の借款がタイド・ローンである。これに対して、受入国は供与国からは資金の提供だけを受け、物資やサービスの調達は、国際入札などにより最も有利な条件のところから行えるようにするのをアンタイイングという。日本のODAは、以前はタイド・ローンの比率が高かったが、近年はアンタイドの比率が高まっている。