相殺方式とは

主に武器、航空機、先端技術製品などの輸出に用いられる方式であり、輸入国で生産した部品や資材を輸出国が購入して、それを輸出商品に組み込むことで輸出代金の一部を相殺する方式のこと。アメリカからの武器や航空機の輸出において定着している。この方式では、完成品の輸出に対して、見返り条件として部品・資材などの輸入が輸出者に義務づけられ、並行的にふたつの売買契約が結ばれて、通常それが同時に調印される。
輸出者が部品や資材などを輸出商品に組み込むには、当該部品などがある程度の水準を満たしていることが要求される。したがって、輸入国側は、技術の導入をはかり、研究開発を進めて輸出者のニーズに合わせる必要があることから、輸出者に対して自国内での部品製造工場の建設や技術の提供などの産業協力を要求することがある。そのため、完成品の性能特性を保証しうる組み込み部品などの技術水準を備えた輸入国を対象として取引が行なわれる点に、この取引形態の特徴がある。