東京ドル・コール市場とは

日本所在の外国為替銀行が外貨資金の運用や調達のために利用する無担保の外貨の貸借市場のこと。日本の為替銀行の外貨資金取引が増加するのに対応して、1972年にユーロ市場を規範に東京に設立された外貨資金市場である。外貨を調達したり運用したりするときに利用する最も身近な市場である。名称に「ドル」とついているが、ドイツ・マルクやスイス・フランなどの取引も行なわれている。臨時金利調整法への知恵食をさける目的で「預金」ではなく「コール」として発足した経緯がある。
外国為替銀行と取引を仲介するブローカーから構成され、東京外国為替市場同様テレフォン・マーケットである。また海外の銀行など非居住者の参加は認められていない。東京ドル・コール市場は時差がなく、市場レートを見ながら運用や調達を行えるメリットがあるため、銀行が顧客とのインパクト・ローンや外貨預金などの取引のための金利算出や実際のカバー取引などに医療している。1986年非居住者も参加できる東京オフショア市場が成立されたが、ひき続いて外貨市場として重要な地位を保っている。