NIEs(新興工業経済地域)とは

韓国、台湾、メキシコなど1960年代から1970年代にかけて輸出主導型の経済成長政策を推進して急速な工業化に成功し、所得水準の向上、世界の工業生産や工業製品貿易に占めるシェアの拡大を短期間に達成した一群の発展途上国のこと。
従来は新興工業国(NICs)という言葉が用いられていたが、1988年の先進国首脳会議(トロント・サミット)より、中国・台湾・香港の間の微妙な政治的関係を配慮し、CountriesではなくEconomiesと呼ぶようになった。
NIEsは必ずしも明確な定義がある訳ではないが、1960年代から1970年代にかけて輸出主導型の経済成長政策を推進して急速な工業生産や工業製品貿易に占めるシェアの拡大を短期間で達成した発展途上国を指している。具体的にはアジア韓国、台湾、香港、シンガポールラテンアメリカのブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどが含まれ、また南ヨーロッパギリシャポルトガル、スペイン、ユーゴスラビアを含めて呼ぶこともある。
なかでもアジアNIEsの成長スピードは特に急速であり、アメリカに対して膨大な貿易黒字を出し、その結果、アメリカはこれらアジアNIEs諸国に、通貨の切り上げや市場開放を求めるなどの摩擦問題が生じている。
昨今のアジア金融危機によりアジアNIEsの経済成長が停退したが、現在回復兆候にある。