清算勘定とは

取引当事者が双方の貿易貸借を決済するとき、取引ごとの決済は行なわずに、その貸借の帳尻を阿波現金で決済しあう勘定方式のこと。清算勘定に基づいた貿易取引の形を清算貿易(Open Trade)と呼ぶ。
このような貿易取引では、取引額は貨幣単位で表示されるが、取引ごとに現実的な貨幣による個別の決済は行なわれず、取引額は債権・債務として記帳され、清算勘定による契約期間が満了した時点で、未決済の収支尻が生じた場合に、当該金額の貨幣による決済が行なわれる。そのため、この方式では、清算勘定の設定と個別取引の2本立ての契約になり、複数の輸出入契約が貨幣決済を経ずに長期的かつ継続的に実行される。
取引当事者が国家同士である場合、両国間で2国間清算協定が結ばれるが、日本では戦後の一時期、手持ち外貨の少ない国との間で清算勘定協定を結んで取引が行なわれていたが、焦げつきの弊害があるので、現在では行なわれていない。また、GATTもこのような取引を制限的貿易と規定しているため、先進国間では原則として行なわれていない。