従価税とは

。税額を算定する場合の基礎を課税標準というが、関税は輸出貨物の価格や重量を関税標準として課せられる。価格を課税標準とするものを従価税、重量を課税標準とするものを従量税と呼び、日本では従価税が最も一般的な関税率の形態になっている。価格を課税標準とする以上、輸入貨物の価格をどのように決定するかが重要である。日本の課税定率法第4条では「当該輸入貨物に係わる輸入取引がされたときに買い手より売り手に対し、または売り手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた、または支払われるべき価格に運賃などの額を加えた価格」つまりCIF価格を原則として課税標準としている。
従価税の長所は、1.課税の負担が商品価格に比例するので公平であること、2.内外価格が同様の変動をする場合、物価変動に十分に対応できること。短所は、1.課税標準として価格の捕捉が難しいこと、2.輸入品価格が低下した場合に国内産業保護の機能が薄れるなどの点が挙げられる。同一商品グループのなかでも品質格差が大きいものや、短期的に価格変動の少ないもの、種類の多いものについては、一般的に従価税の適用が妥当だとされている。