公示相場制度とは

外国為替銀行が毎朝その日1日適用する対顧客外国為替相場を店頭に公示する制度のこと。外国為替市場では取引相場が刻一刻と変動するので、顧客取引に為替市場の相場を厳密に適用しようとすると、対顧客相場も刻々と変わることになる。こうした不便を避ける目的で、日本では銀行が朝10時近くの市場の相場を基準にして、その日1日適用する顧客相場を決め、それを店頭に公示する方法をとっている。公示相場のベースになる為替市場の基準相場を仲値というが、市場実勢相場が仲値から大きく乖離した場合は、公示相場の適用が制限されることになる。つまり、市場実勢相場が当日の公示相場の仲値から1円以上乖離した場合は市場連動制に、同じく2円以上乖離した場合は公示相場の全面的な適用停止(サスペンド)になる。