工場渡しとは

トレード・タームズ(定形貿易条件)のひとつ。出荷地で物品が保管されている場所から、そのまま引渡しが行なわれる状態の取引条件であり、Loco(現物渡し)とも呼ばれる。引き渡す場所によりEx Factory(工場渡し)、Ex Mill(製鉄所渡し)、Ex Plantation(農場渡し)などと表示される。卸商品ならばEx Warehouse(倉庫渡し)、小売商品の場合はEx Store(店頭渡し)という。
日本の輸出者の商社と供給者のメーカーと国内取引で、Ex Godown Tokyoなどといった用語が用いられることが多く、この慣用語は、輸出者である買い主の《指定倉庫渡し》を意味する。これは売り主の倉庫から物品を引渡し可能な状態で買い主に引き渡す上記のEx Warehouseと同義であり、本来の意味を逸脱していることから、海外との直接取引では注意を要する。
輸出者は特に定めのない限り、運搬車両に物品を積み込んだり、輸出通過する必要はないが、輸出者がその物品を運送できるような放送にしておく必要がある。この条件において輸入者は、輸出者がその物品を引き渡す出荷地の保管場所から仕向地までの一切の費用と危険を負担しなければならないので、危険負担は大きい。反面、輸出者にとっては最小の義務が課せられた取引条件だといえる。