発行銀行とは

輸入者の依頼により、信用状の開設(発行)を引き受け、信用状を第三者つまり受益者宛に発行する銀行。信用状開設銀行とも呼ばれる。
信用状を開設する発行銀行は、通常輸入者と取引関係がある外国為替銀行であ る。信用状には、貿易取引にかかわる代 金の決済上のリスクを回避し、金融の便宜を与える機能があるため、これを開設(発行)する発行銀行は、国際的に信用 があり、信用状取引について豊富なノウハウを持つ銀行が選定される。
発行銀行は、信用状開設(発行)依頼人のために、受益者に対して支払債務を負う。つまり、信用状条件に合致した手形・書類が呈示されれば、開設(発行)依頼人の代金支払の履行・不履行にかかわらず対外的な決済をする義務を負うため、発行銀行は、信用状取引の開始時点で、輸入車・解説(発行)依頼人償還能力や信用状態を厳しく審査する。
一般的に輸入者は、輸入商品を国内の需要家に売りつなぎ、その売却代金で輸入手形を決済することが多い。この対外決済から商品代金回収までの期間、通常1-3ヵ月であるが、資金を融通する輸入金融も発行銀行の重要な業務となっている。

発行依頼人とは

信用状発行における発行銀行に対する発行依頼者であり、通常、輸入者のこと。輸出入契約が成立後,その代金決済が信用状付荷為替手形による場合、銀行に対し て信用状発行を依頼する者をいう。通常は、貨物を輸入する者が発行依頼人になる場合が多いが、その輸入者が何らかの理由で発行銀行に対して依頼できない場合、もしくは依頼してもそれが受理されない場合、第三者依頼人になることがある。
信用状発行の依頼を受けた銀行は、依頼人の与信限度などを審査し、これが受理されれば、信用状の発行手続きをとる。発行銀行は、通常、通知銀行を経由して信用状を発行する。まれには、信用状が発行銀行から輸出者に直接送付される場合もある。
その信用状を通知銀行経由で接受した受益者である輸出者は、契約した商品を通関船積みし、信用状の定める条件に合致した船積書類を、買取銀行に対して呈示し、代金決済を行う。ただし、委任状付L/C買取りの場合のように、受益者以外の第三者が銀行買取を依頼することがある。
買取銀行は、発行銀行が補償銀行になっている場合、要求書類を発行銀行に送付 し補償請求を行う。その要求を受けた発行銀行は、これを審査し受理するかどうかを決定する。これが受理されたならば、発行銀行は買取銀行から回付された手形決済を行う。さらに、発行依頼人に代金支払と引換えに船干封書類を引き渡し、輸入者は船荷証券を船会社に提出して貨物の引取りを行う。

パッキングリストとは

輸出貨物の明細、箱番号、総重量、正味重量、容積、数量、注文番号、船名、バイヤー名、包装種類などを示すための書類。包装明細書のこと。パッキングリストは工場で作成されたものを用いるべきである。しかし、輸出申告などの通関手続きに間に合わないときがあるので、一般的には売り手側によって作成されたものが使用される。
パッキングリストは荷為替取組みのさい、特別に要求がないかぎり、船積告知として銀行に提出する必要がない。しかし、買い手側あるいは税関が船秘みした貨 物を照合する場合に、コマーシャル・インボイスの補助的な書類として要求される。
買い手側はこのパッキングリストによって、船積みした貨物の内容、明細など具体的な状況が判断できる。貨物を船積みしてから買い手側に送付する船積書類コ ピーには、パッキングリストを添付する必要がある。売り手側はパッキングリストを作成する場合、それに記載した事項と実際の内容とを合致させなければならない。

はしけとは

港湾の船舶係留地の水深が浅かったり、荷役設備の整備が不十分なため、本船が港湾岸壁から離れて停泊している場合、本船と陸上施設の間の海上で貨物の移動に利用される小型の船舶をいう。
港湾のなかには、水深が浅いため、貨物を満載した船舶が接岸できなかったり、あるいは岸壁土早頭の荷役設備が不十分なために、本船が港湾岸壁から離れて停泊しなければならない場合がある。そのような港湾では、貨物は本船と陸上施設の間の海上を移動しなくてはならず、その移動に利用される小型の船舶をはしけという。櫨などを備えて自航性を有するものをライタ ー、自航性を欠き曳き船によって曳航されるものをバージと呼び、厳密には両者は区別されるが、日本では、通常、両者とも「はしけ」と呼んで混用している。1本におけるはしけ運送は、港湾運送事業法の適用を受け、はしけ運送事業を営もうとする者は、運輸大臣の免除を受けなければならない(第4条)。かつては接湾荷役よりも沖取りのほうが多く、はしけ運送事業者の果たす役割も大きかったが、近年は港湾整備が急ピッチ進み岸壁埠頭も整備されて、はしけ利用は著しく減少している。

ハウス・ビルとは

商社などの本店と海外の支店間で振り出される手形。通常、クリーン・ピルの場合が多い。商社やメーカーなどが本店と海外の支店間で振り出す手形をいう。
たとえば、本店が海外支店に対して輪山貨物を船積みした場合、通常の貿易取引であれば荷為替手形を振り出して、為替銀行に銀行取引を依頼し代金決済を行うのであるが船積書類を銀行経由ではなく、直接に海外視点に回付する。その場合、その手形は船積書類によって担保されていないことが多い。

バイヤーズ・クレジットとは

輸出国の金融機関が、外国の法人や政府などに対して直接に資金を貸し付けること。外国の相手先が輸入者の場合、バイヤーズ・クレジッ卜、金融機関の場合にはバンク・ローンという。国際協力銀行の融資はその代表的なものである。
国際協力銀行なとのように、輸出国の金融機関が、外国の法人や外国政府などに対して、輸出入契約などにかかわる必要な資金を直接に貸し付けることをいう。国際協力銀行で規定する外国法人とは、民間会社、金融機関、国際機関をいい、外国政府などとは、政府、政府機関、地方公共団体をいう。融資の相手先が外国の輸入者の場合、バイヤーズ ・クレジットと称し、金融機関の場合をバンク・ローンと呼んでいる。国際協力銀行は、通常、日本の銀行を介在させ、外国の当事者と貸付契約などを行う。
バイヤーズ・クレジットは、一般的に輸出入契約をその対象とし、バンク・ローンでは「中小プラント輸出促進バンク・ローン」にみられるように、特定されない契約も対象とする場合がある。
国際協力銀行のサブプライヤーズ・クレジットは、バイヤーズ・クレジットと基本的には類似するもの であるが、これは日本業者に対しての融資・手形割引などを行うことをいう。

バイヤーとは

一般に海外の輸入者のこと 。自己の勘定と責任で輸出者本人と直接に交渉し輸入する場合および輸入地の顧客本人の代理人としてのバイヤーがある。一般的には、自己の感情と責任で輸出者と直接交渉して商品を輸入する外国の買い手のことを呼ぶ。また、現地の最終買い手の代理人として、輸出者と交渉して契約し、決済上の信用状のみを最終買い手から輸出者に対して直接に開設させ、代理人手数料をとるような仲介者も含む。特に南アフリカギリシャなどで、この方法により輸入する方法がみられる。また、これをインデンターと呼ぶ。
バイヤーの反対語として、輸出者または売り手(商社やメーカーなど)の商品供給者のことをサプライヤーと呼ぶ。