はしけとは

港湾の船舶係留地の水深が浅かったり、荷役設備の整備が不十分なため、本船が港湾岸壁から離れて停泊している場合、本船と陸上施設の間の海上で貨物の移動に利用される小型の船舶をいう。
港湾のなかには、水深が浅いため、貨物を満載した船舶が接岸できなかったり、あるいは岸壁土早頭の荷役設備が不十分なために、本船が港湾岸壁から離れて停泊しなければならない場合がある。そのような港湾では、貨物は本船と陸上施設の間の海上を移動しなくてはならず、その移動に利用される小型の船舶をはしけという。櫨などを備えて自航性を有するものをライタ ー、自航性を欠き曳き船によって曳航されるものをバージと呼び、厳密には両者は区別されるが、日本では、通常、両者とも「はしけ」と呼んで混用している。1本におけるはしけ運送は、港湾運送事業法の適用を受け、はしけ運送事業を営もうとする者は、運輸大臣の免除を受けなければならない(第4条)。かつては接湾荷役よりも沖取りのほうが多く、はしけ運送事業者の果たす役割も大きかったが、近年は港湾整備が急ピッチ進み岸壁埠頭も整備されて、はしけ利用は著しく減少している。