CIFとは

トレード・タームズ(定型貿易条件)のひとつである「運賃・保険料込み(指定仕向港)」のこと。英語ではCost, Insurance and Freight, named port of destinationであり、CostはFOB Costを意味し、FOBの貨物を本船に持ち込むまでの費用にプラスして、仕向港までの海上運賃や海上保険料の費用を売り主が負担することをいう。
CIFでは、FOB同様に貨物を本船に積み込むことの義務に加えて、船荷証券や保険証券などの船積書類を買い主に対して引き渡す義務がある。つまりFOBは積出し港の本船上で貨物を引き渡す価格条件であり、現実引渡し(Physical Delivery)とも呼ばれる。CIF船荷証券などを引き渡す義務があるため、象徴的引渡し(Symbolic Delivery)とも呼ばれる。ただし、本質的に現実引渡しのFOB条件でも、荷為替手形決済であれば、売り主、買い主の特約的な合意によって象徴的引渡しになるが、現物受渡しの原則をそこなうものではない。
1980年にインコタームズに採択されたCIP「輸送費・保険料込み(指定仕向港)」はコンテナ輸送の要求に応じるために設けられた。これはCIFに相当するものだが、売り主から買い主への危険転移は貨物を運送人の管理下に引き渡される時点であることが大きな違いとなっている。なお、コンテナ船のFCA「運送人渡し(指定場所)」およびCPT「輸送費込み(指定仕向場所)」は、従来のFOBやC&Fに相当する。